銭弘俶八万四千塔 せんこうしゅくはちまんしせんとう
銭弘俶八万四千塔
せんこうしゅくはちまんしせんとう
中国・呉越国王の銭弘俶が、インド阿育(アショーカ)王の舎利塔造営の故事にならい、顕徳2年(955)ころから鋳造した。銅あるいは鉄に鍍金した八万四千基の小塔。基壇4面に諸尊像、塔身4面に釈迦本生図、塔内部に「呉越国王/銭弘俶敬造/八万四千宝/塔乙卯歳記」などの刻字、滅罪を説く宝篋印陀羅尼を吊りさげる鉤を作る。中国国内や韓国で出土し、呉越国との交流によって平安時代後期に日本にも伝えられ、福岡市の誓願寺などに数基現存する。東アジアの造塔、仏教交流史を物語る上で貴重な資料である。
(林文理)
以上、転載
