西穴寺跡 さいけつじあと

西穴寺跡
さいけつじあと
Seohyeolsa-ji

韓国・忠清南道公州市熊津洞の望月山東側斜面の中腹に東向きの石窟があり、その石窟の南側に傾斜面を整地して造営した寺院跡がある。『東国輿地勝覧』では西穴寺は望月山にあると記し、ここから「西穴寺」銘文字瓦が採集されたことでその存在が明らかになった。1929年に軽部慈恩が初めて学術調査を行い、その後、1969・70年の2度にわたり、公州師範大学校(現・公州大学校)百済文化研究所らが発掘調査を行った。石窟の内部の広さは約150㎡で、東に開口する。北側壁には仏像を安置したと考えられる台があり、その南側の寺跡からは東西905㎝×南北585㎝の小仏堂の基壇と思われる建物跡が検出された。現存する地形から双塔を持つ寺跡と推測されている。三国時代百済の熊津時代に創建された石窟寺院として注目されたが、当時まで遡る遺構は検出されていない。出土遺物においても百済時代の八弁蓮花文軒丸瓦を除くと、統一新羅時代の釈迦如来坐像2体と、大日如来坐像1体の3体の石仏をはじめ礎石や瓦類、そして高麗時代の瓦類など、統一新羅時代以後のものが大半を占めている。

(李タウン)

以上、転載

 

 

*mapは公州市熊津洞