西三洞壁画墓 せいさんどうへきがぼ

西三洞壁画墓
せいさんどうへきがぼ
Seosam-dong-byeokwamyo

韓国・慶尚北道安東郡禄転面西三洞に位置し、低丘陵の稜線上に立地する高麗時代の壁画墓。墳墓は、1980年に盗掘されたことで明るみに出て、安東大学博物館が同年中に発掘調査を実施した。すでに封土はほとんど流出していたが、旧地表上に東西の長さ4.1m、南北幅2.9mの長方形に地覆石を並べ、その上におそらく50〜60㎝の盛土を行って封土とした。地覆石の周囲には南側を除いて、約40㎝の間隔をあけて、幅約50㎝、高さ約60㎝の石垣状の護石をめぐらした。そして、旧地表下に板石5枚を組み合わせて、長さ約2.29m、幅0.96m、高さ0.9mの箱式石棺を埋めていた。石棺内面には漆喰を塗って、四壁に四神図と天井に星宿図を描いていた。盗掘を受けた後の石棺内部からは、宋銭を主とし開元通宝のような唐銭を含む中国銭と、東国重宝・東国通宝・海東通宝といった高麗銭、そして棺釘・鎹・土器片・人骨片・歯などの遺物が出土した。40歳前後の男性を埋葬した12世紀初葉の築造といわれる。

(西谷正)

以上、転載

 

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*マップは慶尚北道安東市