鹿 しか

鹿
しか

偶蹄目シカ科に属する哺乳類。草食性で主に草本類・樹皮・小枝・若芽などを食べる。旧石器時代にはヤベオオツノジカが出土し、広島県帝釈観音堂洞穴では縄文時代早期層からも出土する。極北にはトナカイ、ユーラシアから北米の森林地帯にはヘラジカやアカシカが生息する。日本列島には北海道にタイリクジカの一種エゾシカと、本州・中国・四国にニホンジカ、対馬にツシマジカが生息する。シカの捕獲には落とし穴や、柵を利用した追い込み猟、発情期に雄ジカの鳴き声をまねて、縄張りを荒らされたと思わせて、雄をおびき寄せる鹿笛猟も行われた。雄の多くは毎年生え替わる枝角を持ち、枝角は幅が広く厚みがあり、加工が容易なのでさまざまな骨角器・角細工に用いられた。また第3・第4中手骨と中足骨は癒合して砲骨を形成し、細長く厚みのある長い素材を得ることができるので、銛やヤス・骨針・ヘアピン・笄などの骨角細工の素材として盛んに用いられた。

松井章)

以上、転載

 

 

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