炒鋼法 しょうこうほう
炒鋼法
しょうこうほう
銑鉄から錬鉄を得る製鉄法の一つ。漢代に開発されたもので、中国・河南省鞏県鉄生溝遺跡で炒鋼炉が確認されている。銑鉄を溶融状態に保ち、鉄棒や木棒で攪拌しながら鉄鉱石粉などを添加することによって不純物を酸化させると、炭素や滓が除かれ、融点が上昇するにつれて半溶融状態となる。これを鍛打し夾雑物を取り除くと結晶粒の細かい鋼あるいは熟鉄となる。炒鋼法の開発は、優れた軟硬鉄素材の安定供給をもたらし、「合せ鍛え」などの熱処理技術にも寄与した。金属学的分析により、鳥取県宮内第1遺跡出土鉄剣や、徳島県名東遺跡の鉄製品などが炒鋼法による素材が用いられた可能性が指摘されている。
(関清)
以上、転載
