飾履 しょくり

飾履
しょくり

儀礼用の装飾を施した履。底板のみ金属製で布や皮革で甲を被うものと、すべて金属薄板の2種類がある。前者は高句麗の集安麻綫溝出土例など4世紀代で、金銅製有釘履底である。後者は5世紀後半代に新羅・百済・倭で出土するようになる。初期のものは爪先が水平で亀甲文が水平になるように施文されスパイクを持つが、7世紀頃には爪先が上方に向きスパイクがなく、長さが40㎝近くの大型品となり、側板の亀甲文などが粗雑になる。新羅・加耶・百済では6世紀中頃には衰退する。また材質は金銅製のものが大半を占めるが、銀製のものもある。熊本県江田舩山古墳出土例などは舶載品と考えられるが、側面の亀甲文が水平に施されなくなる滋賀県鴨稲荷山古墳例あたりから国産品と考えられる。

（宇野愼敏）

以上、転載

＊辞典解説文より漢字ピックアップ

綫
セン、いと、すじ