新安海底遺物 しんあんかいていいぶつ

新安海底遺物
しんあんかいていいぶつ
Sinanhaejeo-yumuil

韓国・全羅南道新安郡智島面防築里に属する道徳島沖の水深20mの海底で発見された、沈没船ならびに積載遺物。1976～84年夏まで10次にわたって、文化財管理局の調査団が水中考古学的調査と船体・遺物の引揚げを実施した。これまでに発見された遺物は陶磁器がもっとも多く、1万数千点を数える。そのほか金属製品504点以上、石製品22点余り、木製品・植物資料など466点以上と、多種多量に上る。遺物は元代初期（14世紀前半）の中国製品が大部分を占めるが、高麗青磁・古瀬戸をはじめとする、朝鮮・日本製品もごく少量含まれる。中国陶磁には、龍泉窯産青磁など、長江特に揚子江以南の沿岸の諸窯の製品がほとんどを占めることに加えて、「慶元路」銘分銅によって、船は慶元、すなわち現在の寧波を出港した貿易船であったと推定される。陶磁器の多くは、日本の出土品や伝世品と一致し、「至治参年（1323）東福寺」などの墨書のある荷札から、14世紀前半に、日本を目ざした貿易船であったことがわかり、東中国海を舞台とした国際貿易の解明に資するところが大きい。なお、船体は長さ28.4m、幅6.6m、高さ2.5mを測る大型である。

（西谷正）

以上、転載

 

 

 

 

＊mapは、沈没船の引揚げ地点ではなく、
国立海洋文化財研究所にピンを立てています。

引揚げ船の全てが展示解説されており、
展望室からは海を一望、引揚げポイントを望めます。

ボロボロの躯体が保存処理され展示されています。
本物の引揚げ船の巨大さと迫力には息を飲みます。