垂飾付耳飾 すいしょくつきみみかざり
垂飾付耳飾
すいしょくつきみみかざり
主環の円環に垂飾をつけた耳飾で、主環・遊環・連結部・垂下飾りの四つの部位からなる。垂下飾りは宝珠形・三股形・円錐形・心葉形、円形や二等辺三角形などに分類される。主環は太環式と細環式があり、太環式は新羅・加耶、細環式は百済・倭に多く分布する。中国漢代の扶余族や鮮卑族の墳墓から捩り金線に歩揺を下げた金製垂飾付耳飾が発見されている。4世紀になると、高句麗の麻綫溝1号墳に金製太環式垂飾付耳飾が見られ、同様のものが新羅から出土しており、高句麗から新羅へのルートが考えられる。新羅・加耶では5世紀中頃前後〜6世紀代に金・銀製の心葉形や葫薦形が、加耶南部・倭・百済では心葉形のほかに宝珠形山梔子・円形・二等辺三角形などが見られる。倭では加耶・百済などからの舶載品も数多く搬入されているが、わが国特有の長鎖式宝珠形小型金板や宝珠形大型金板は、装飾を1個体ずつ変化させており、渡来系同一工人集団による製品と考えられる。
(宇野愼敏)
以上、転載
*辞典解説文より漢字ピックアップ
梔
シ、くちなし
