蒪池里遺跡 せんちりいせき
蒪池里遺跡
せんちりいせき
Sunji-ri-yujeok
韓国・慶尚南道梁山郡下北面蒪池里山47・49・55番地一帯に所在する。正式な調査は1982・83年、東亜大学校博物館によって行われ、6世紀前後の土城であることが明らかになった。城の形態は山城山の頂上を中心として、周囲へ土を積み上げた鉢巻式山城に属している。築造方法は、粘土と山土を交互に重ねて堅固に突き固めた版築手法が採られている。傾斜が急な地形では、幅4mの木柱を2列に立て並べてその間を版築し、その内外に山土を斜めに盛り上げて補強している。基底部の調査で土城築造以前に設置された幅4mの木柵の柱穴が、1mの間隔で並んで2列確認された。門跡は北側を除く3方向で確認され、そのほかに長方形に木材で組み上げられた井戸も調査された。出土遺物は土器が主体である。本遺跡は位置的に慶州と金海の中間地点に位置しており、6世紀前後の三国時代の新羅と加耶の領域を明らかにする上で重要であるだけでなく、土城の築造方法の研究においても重要である。
(朴廣春)
以上、転載
