多鈕細文鏡 たちゅうさいもんきょう

多鈕細文鏡
たちゅうさいもんきょう

朝鮮半島で無文土器(青銅器)時代の盛期に粗文鏡から発展して、精緻な文様が描かれた鏡。鏡背を細い線による鋸歯文や同心円文などの幾何学文で飾り、その製作技術は新たに北方から伝わった鋳造技術に影響を受けたものと考えられている。おもて面は凹面になる。鈕は双鈕のものが多く、三鈕のものもある。朝鮮半島では朝鮮式銅剣や銅矛・銅斧・銅鉇などとともに墳墓から発見される。日本では弥生時代中期初頭以後の遺構から発見され、北部九州・山口県では朝鮮半島と同じように、青銅器に伴って甕棺などの墳墓から出土することが多いのに対し、近畿地方では銅鐸とともに埋納する例がある。近年北部九州でも埋納例が確認され、鏡を認識した初期の段階から鏡に対する日本独自の価値観も認められる。
(後略)

(片岡宏二)

以上、抜粋転載

 

古代史初心者の当時、なぜ皆さんが多鈕細文鏡にこんなに色めき立つのかと、不思議に思ったものです。

でもすぐに、繊細な細いラインを緻密に重ね合わせる芸術性と、ヒモ通しの鈕をつける実用性を備えるセンスに魅入られ、これを創る職人に想いを致し大好きになりました。一体どうやって創ったのか想像もできません。

もちろん、歴史上の価値や希少性は別格です。