胎室・胎封 たいしつ・たいほう
胎室・胎封
たいしつ・たいほう
朝鮮半島で、王・王妃・王世子・王女・君・翁主など、王族の胎盤を収めた石室などの施設。胎室に関する儀軌や『朝鮮王朝実録』などの文献史料では胎封とも呼ばれたが、李朝(朝鮮)時代の王室はこれを重要視した。たとえば、京畿道高陽市にある西三陵の陵域内には、太宗など21名の王の胎室と、王世子・王女・翁主の胎室33基が1ヵ所に集められている。これらは朝鮮総督府が1936・37年に、破壊または損失防止という管理上の名目で、全国に散在していた胎室を移築したものである。その後1996年になって、文化財管理局が胎碑石群の整備と、その下部構造の確認作業として、54基中の3基を発掘調査した。すなわち、第20代の景宗、第24代の憲宗、そして、第8代睿宗の王世子に当たる仁城大君の胎室が調査されて、白磁胎室や胎誌石などを出土した。
(西谷正)
以上、転載
