多縄文土器 たじょうもんどき

多縄文土器
たじょうもんどき

縄文時代早期の土器。縄目施文はやがて爪形文を駆逐し、器面をおおいつくすようになる。この縄目文様が器面に縄文を施した始まりである。縄文の原体にはさまざまな種類が用いられている。その施文は爪形文と同様の押圧手法を基本としており、伝統を受け継ぎながら、文様原体を縄文原体に取り替えた状況である。縄文の原体はふつう1段撚りを用いているほか、それを軸に巻きつけた絡条体があり、さらに細部の工夫も見られる。煮炊きに使用したものと思われる。福井県鳥浜貝塚や新潟県小瀬が沢洞窟遺跡などから出土している。

（中村修身）

以上、転載