鷹島海底遺跡 たかしまかいていいせき
鷹島海底遺跡
たかしまかいていいせき
長崎県松浦市(旧松浦郡)鷹島町に所在する。伊万里湾に面した鷹島南岸の干上鼻から雷岬まで東西7.5㎞、汀線より沖合200mの範囲に含まれる海域約150万㎡が、1980年(昭和55)から3ヵ年の文部省科学研究費特定研究の調査で元寇関係の遺物を包含することが確認され、翌年には鷹島海底遺跡として周知された。現在まで学術調査、緊急発掘調査、詳細分布調査などが通算22回行われ、そのうち特筆すべき成果は、1992年(平成4)床浪港沖の標高ー25~ー26mの海底下で、縄文時代早期の包含層から土器・石器・動物骨などがまとまって出土し、縄文時代の西九州の海岸線を知る資料が得られた。また、94年神崎港沖の標高ー21~ー22mの海底下で木製碇4基と、それらに装着された2石分離型の碇石16点が原位置を保って出土し、元軍の碇の構造が明らかとなった。2000・01年(平成12・13)には、元軍の船の部材や「蒙古襲来絵詞」の戦闘場面を彷彿とさせる「てつはう」などの武器類が数多く出土している。
(林田憲三)
以上、転載
