投弾 とうだん
投弾
とうだん
弥生時代前・中期を中心に、紡錘形・球形をした土製品や、自然礫を利用した石製品があって、一般に投弾と呼ばれる。主として西日本に分布するが、一部東日本でも出土する。重量は、いわゆる土弾より石弾が重いが、平均すると30g台である。武器としての投擲用のほか、鳥や小型動物を捕獲するための狩猟用が考えられる。弥生時代後期の高地性の防御集落や中・近世の山城などでは、石弾あるいはつぶて石が出土することがある。前者の場合、「魏志倭人伝」に見える倭国の乱とも係わる可能性がある。朝鮮半島南部では、原三国(三韓)時代の集落ならびに三国時代の山城の遺跡から石弾が出土することがある。
(西谷正)
以上、転載
