筒形銅器 つつがたどうき
筒形銅器
つつがたどうき
筒形銅器は、日本では古墳時代前期中葉から中期前半、韓国では4世紀前半から5世紀前葉を中心とした古墳の副葬品に見られる青銅器の一つである。一般的な形状は、長さ10数㎝、直径2㎝前後の円筒形を呈し、4窓ずつ2段の細長い透孔を持つ。一端は開口して目釘穴が設けられ、一端は裾広がりで閉塞し、平滑ないしは緩やかに突出する。開口部に木質が遺存する場合があり、槍・矛や杖の石突などの用途が考えられる。また一部に青銅製・鉄製・石製などの小棒を筒内に入れたものがあり、響鳴機能を備えたものも存在する。日本では2006年現在、49古墳(方形周溝墓1を含む)63点が、畿内を中心に関東地方から九州地方まで広く分布する。(他に出土地不詳10点)。韓国では2004年現在20古墳43点が、洛東江下流域の大成洞古墳群・良洞里古墳群・福泉洞古墳群で出土している(他に出土地不詳25点)。日本では特定古墳群・特定地域での継続した副葬が認められないのに対し、韓国では上記3古墳群に集中、継続した副葬が行われるという大きな違いがある。従前、国産青銅器と考えられてきたが、再考が求められる。
(田中晋作)
以上、転載
