腕飾 うでかざり

腕飾
うでかざり

手首や腕に装着する装身具。「釧（くしろ）」ともいう。環状定形のものと紐で装飾材を連結したり、布を利用した不定形なものがある。中国では新石器時代仰韶・龍山文化に土・石製のものが見られ、西周〜春秋時代には銅釧が、戦国時代以降、金・銀・金銅製のものが出現し、細金細工も発達する。前漢時代にはガラス釧、隋代には西方様式のガラス象眼金製腕輪なども見られる。朝鮮では櫛目文土器（新石器）時代には貝輪が知られ、無文土器（青銅器）時代に銅釧、三国時代には牙製のほか、金銀細工の優れたものやガラス釧、ガラス小玉に金製勾玉をあしらったものなどがある。わが国では縄文時代に貝・牙・石製のほか、土製や木・縄製で漆塗りのものがある。弥生時代には楽浪系の円環形銅釧やガラス釧のほか、南海産貝輪が北部九州を中心に盛行し、それらを模した銅釧も出現する。また、東日本でも帯形銅釧や螺旋形鉄釧などが独特の発達を見せる。古墳時代前期には、南海産貝輪などを模した碧玉製の腕輪形石製品が非実用の威信財として盛行するほか、各種玉類を手首に連ねた手玉も認められる。中期以降は青銅製の鈴釧のほか、金・銀製や白玉製、錦織の布製など大陸系の腕飾が顕著となる。

（蒲原宏行）

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