埋甕 うめがめ

埋甕
うめがめ

地面に掘られた穴に深鉢などの土器を設置した施設。またそれに用いた土器。埋鉢・カメ棺・埋設土器などの名称で呼ばれることもある。屋外に設置するものと、屋内に設置するものがある。屋内設置のものは入口の床面に設置されることが多い。正位埋設のほか、斜位や倒置埋設のものもあり、1個体あるいは複数個体の土器を使用している。そして土器の胴部や底部に打ち欠きによる穿孔が施されることもある。内部から小児骨が検出されることがあるため、乳幼児や死産児を収納した小児棺であるという説や胎盤などを納めた都する説がある。そのほかに成人の焼骨、イノシシやシカなどの獣骨、翡翠製大珠、石核などが検出されることがあり、一概に土器棺の一種であるとはいえない。日本では縄文時代中期中頃から東日本を中心に分布し、縄文時代後期から西日本でも見られる。韓国の櫛目文土器（新石器）時代に当たる東三洞貝塚などでも同様の施設が確認されている。

（谷直子）

以上、転載