オーシギーン・ウブルⅠ遺跡 おーしぎーん・うぶるⅠいせき
オーシギーン・ウブルⅠ遺跡
おーしぎーん・うぶるⅠいせき
Uushgiin Ovor Ⅰ site
モンゴル・フブスグル県ムルン市から西へ約20㎞、デルゲル・ムルン川北岸のオラーン・オーシグ山南東山裾部分に位置する。「オラーン・オーシグⅠ遺跡」ともいう。オラーン・オーシグ山の南斜面には多数の遺跡が確認されている。当遺跡はその中でもヘレクスル(周囲に石囲いを伴う円形の積石塚)と鹿石(鹿の図案が刻まれた立石)が併存する遺跡として注目され、1970年代からモンゴル・ロシアの研究者による調査が行われていた。オーシギーン・ウブルⅠ遺跡では、ヘレクスル15基、鹿石14基が確認されている。1999年以降モンゴルと日本の研究者の合同調査により、ヘレクスルと鹿石の年代および両者の関係を解明することを目的に発掘調査が行われている。ヘレクスルに伴う石堆と鹿石に付属する環状列石が調査され、ウマの頭骨・頸椎骨が出土した。遺構の構造およびウマの骨の出土状況が酷似していることから、両者は同じ時期・同じ文化に属していた可能性が高いことが明らかになった。時期はBC2000年紀末からBC1000年紀初めと推測される。
(三宅俊彦)
以上、転載
