王根墓 おうこんぼ
王根墓
おうこんぼ
Wang Geun-myo
Wan Ken-mu
北朝鮮・ピョンヤン特別市楽浪区域土城洞(旧・平安南道大同郡大同江面石巌里)に所在する楽浪郡時代の大型木槨墳で、1942年に発掘調査された。「石巌里219号墳」ともいう。墳丘は一辺24m、高さ6mの平面方形を呈し、墳丘下に竪穴式方形木槨(310×360㎝)を構築する。墳丘下の旧地表面には粘土層があるが、木槨上部に当たる部分は追葬に伴って切除されていた。墳丘には二次的な掘り込みが認められないことから、初葬時には墳丘が築かれていなかったものと推定されている。木槨と墓壙の間には粘板岩の板石を立てている。木槨内は中央の2本の柱によって東西に分けられ、それぞれに木棺を埋葬する。西棺内には金玉装銀帯金具などの装身具類・黒漆紗帽・黒漆鞘鉄剣・貼銀黒漆刀子・亀紐銀印・木印などが副葬されていることから、被葬者は男性、東棺内には装身具類・鼻紐銅印・漆器類が副葬されていることから、女性が埋葬されていたものと推定される。西棺と東棺の北側にはそれぞれ漆案に載せられた漆器類があり、西棺西側には車馬具、武器・武具類など多数の副葬品が置かれていた。西棺出土の亀紐銀印から被葬者は王根とその夫人と考えられ、築造時期はBC1世紀と推定される。
(高久健二)
以上、転載
