渭原龍淵洞遺跡 いげんりゅうえんどういせき

渭原龍淵洞遺跡
いげんりゅうえんどういせき
Wiwong yongyeon-dong-yujeok

北朝鮮・慈江道渭原郡龍淵洞にある遺跡。1927年に道路工事中、2度にわたって遺物が偶然発見された。最初は約300枚の明刀銭が、地下45㎝に長方形に紐で束ねられ3列4段に積み重なって出土した。明刀銭は、刀部に明・左・右・行・化などの文字を鋳出している。完形品は51枚あり、数形式に分かれる。後に明刀銭から60㎝ほど南に離れて、青銅や鉄製の武器類・農具類などが出土した。装身具の銅帯鉤1、武器類(銅鏃1・鉄鏃1・鉄矛2)、農具類(鉄鎌1・鉄包丁1・鉄鍬先1・鉄鋤先1・鉄鑊2・鉄鉇1)、そのほかに獣歯1・土器片・骨片などが出土している。明刀銭は、戦国時代の燕で製作されたものが多い。銅帯鉤は、両端に獣面をつける戦国時代後期の製品である。鉄器は、撫順蓮花堡や遼陽三道壕の農具に近似している。明刀銭を伴う埋蔵遺構か墓の副葬品かは決めかねるが、戦国時代後期の燕の製品を多く含んでいる。

(岡内三眞)

以上、転載

 

*辞典解説文より漢字ピックアップ


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