月城跡 げつじょうあと

月城跡
げつじょうあと
Wolseong-ji

韓国・慶尚北道慶州市仁旺洞にあって、新羅の故都・慶州盆地の南寄りの所に位置する王宮跡。現在、南川に面する自然の台地を利用して、その北側から東側にかけて、台地の縁辺部をめぐる土・石混用の城壁が比較的よく遺存している。また、城壁内の台地平坦部には、建物基壇や礎石も認められる。7世紀後半の文武王代に本格的に整備されるが、ここには多くの宮殿建築が立ち並んでいたようである。月城跡は平面形で見ると、三日月形をなすことから、半月城とか新月城とも呼ばれる。また「在城」銘瓦が出土するところから、王が在る城という意味で在城ともいわれた。ちなみに『三国史記』新羅本紀の婆娑王22年(101)には、城を築いて月城と名づけ、そこに移り住んだと記す。

(西谷正)

以上、転載