西古城 にしこじょう

西古城
にしこじょう
Xigucheng  Seogoseong

中国・吉林省延辺朝鮮族自治州和龍県の海蘭河左岸にある。1937年(昭和12)に鳥山喜一・藤田亮策が調査した。渤海中京(742頃〜755年)説が有力であるが、瓦の多くは9世紀代で、遺跡の性格について再検討が必要である。東西640×南北720mの城壁がめぐり、中央に東西190×南北310mの内郭がある。内郭南壁の中央が北に屈曲している。中央に正殿基壇と後殿基壇が南北に並び、通路で結ばれている。後殿で炕に伴う煙突が2基確認され、居住施設であったことがうかがわれる。同様の遺構は、上京4号宮殿や八連城でも検出された。内部には、城内を東流する海蘭河の支流を渡って入る構造になっている。この小河川を利用した園地を城内に設けた可能性がある。

(小嶋芳孝)

以上、転載