養洞里墳墓群 ようどうりふんぼぐん

養洞里墳墓群
ようどうりふんぼぐん
Yangdong-ri-bunmyogun

北朝鮮・黄海北道銀波郡養洞里(旧・黄海道鳳山郡楚臥面養洞里)に位置する墳墓群。1917年(大正6)に朝鮮総督府の谷井済一らによって、塼築墳2基(3・5号墳)が調査された。3号墳は方台形墳丘(25.2×26.6m)を持つ複室塼築墳(前室3.8×3.3m、後室4.1×3.4m)で、前室には耳室(1.7×1.7m)がつく。出土遺物にはガラス小玉・銀指輪・鉄環などの装身具類、鉛轡明器・銅車軸頭明器・蓋弓帽などの車馬具類、貨泉・大泉五十・五銖銭などの貨幣、短頸壺や長頸壺などの土器類、環頭刀子・銅鋺・漆蓋・硯・棺釘がある。5号墳も方台形墳丘(32×35.5m)の複室塼築墳(前室3.8×3.3m、後室4×4.2m)で、耳室(2×1.8m)を持ち、後室から羨道へと排水溝が伸びる。副葬品には灰白色甕・甑明器・竃明器などの土器類、鉄鎌・鉄鋤先などの鉄器類、夔鳳鏡片・銅洗・漆器装飾具・硯がある。いずれもAD3世紀代に築造された帯方郡の墳墓と推定される。

(高久健二)

以上、転載

 

*辞典解説文より漢字ピックアップ

夔鳳鏡
きほうきょう