ヤンコフスキー文化 やんこふすきーぶんか

ヤンコフスキー文化
やんこふすきーぶんか
Yankovckii culture

ロシア沿海州南部から朝鮮半島東北部にかけて、沿海地域に広がるBC100年紀中葉の文化。ロシアではかつて「シデミ文化」「貝塚文化」と呼ばれたことがある。貝塚文化と呼ばれたように、沿海部に貝塚を形成する遺跡が多い。斧などの鉄器を伴うことがある。沿海州のペスチャヌイ貝塚が代表的である。深鉢・壺・埦のほかに高坏がある。赤色磨研の土器が盛行する。幾何学的な沈線文が施される。比較的大型の長方形で、長軸方向に柱が並ぶ竪穴住居が特徴的である。ペスチャヌイ貝塚では貝はカキ・イガイ、魚はサバを主としていた。採集経済以外に、アワなどのミレット類の農耕およびイヌ・ブタの飼育が行われていた。これらの家畜はアカシカやノロを主とする野生獣より多く出ている。鞍形磨臼、石製土掘り具以外に磨製石包丁が伴う。武器には磨製石剣・石槍がある。漁労具も発達しており、回転式銛頭がある。

(臼杵勲)

以上、転載