ザイサノフカ文化 ざいさのふかぶんか
ザイサノフカ文化
ざいさのふかぶんか
Zaisanovka culture
ロシア沿海州南部から朝鮮半島東北部にかけて広がる新石器時代後半、およそBC4000〜3000年紀頃の文化。沿海部ではカキやホタテ貝からなる貝塚を形成する遺跡もあるが、内陸の中国側にも知られている。中国では鴬歌嶺下層文化と呼ばれる。ロシア沿海州のザイサノフカⅠ貝塚、北朝鮮・咸鏡北道の農圃貝塚、中国・吉林省の金谷遺跡が代表的である。渦巻文や雷文を施した精製の壺もあるが、横走する綾杉文を施した深鉢が盛行する。大型の壺や埦もある。金谷遺跡では長方形の竪穴住居からなる集落が見つかっている。鞍形磨臼や石製T字形土掘り具が現れ、原初的な農耕の存在が指摘されることもあるが、採集経済が主体であった。剝片石器の素材として黒曜石が多用されるようになる。狩猟ではノロが多くアカシカ・ニホンジカ・イノシシなども捕獲されていた。
(大貫静夫)
以上、転載
